2015年からもう何年もファンから待望されている ” 那須川天心 VS 武尊 ”
どうしてここまで実現されないのでしょうか?
SNSでは、武尊選手が逃げているなどど揶揄されることもありますが、実際に調べてみると、いわゆる ‘ 大人の事情 ‘ が隠れていました。
この記事では、” 那須川天心 VS 武尊 “ がこれまで実現できていない理由、そして今後実現される可能性を考察します。
理由: K-1運営がやらせたくない

大人の事情とは一言で、K-1の運営が ” 那須川天心 VS 武尊 “をやらせたくないからです。
これは私がK-1が嫌いというわけではなくて(むしろ好き)、歴然たる事実としてこの問題が二人の対戦を阻んでいるのです。
K-1は継続的な「スター」の育成を目指していて、最強を目指していない。
まず、新生K-1は旧K-1と違い、「ブームではなく、100年続く【文化】でありたい」と言い続けています。
旧K-1は様々なキックボクシングの団体やジムのトップ選手が集まって強い選手を決める場でしたが、今は各団体のトップではなく、選手を囲って競技としての統一感を出すことに力をいれています。
各所のジムを「K-1ジム」と名前を変えていることや、K-1 アマチュアやK-1甲子園なども、統一感をもって、K-1というスポーツを作り上げる一貫ですよね。
例えば「空手」や「柔道」と同じ並びに「K-1」を置きたいという世界観なのです。
逆に言えば、空手が柔道より強いことを証明したがらないように、K-1は他のキックボクシング団体より強いか弱いかを重視しません。
K-1の中で強い選手、K-1の中で若い選手やファンが憧れるスターがいることが重要なのです。
自団体のスターの価値が落ちるリスク > 武尊選手の最強の証明

武尊選手はまさにそのスターそのものです。
仮に天心選手と戦って、最悪、1ラウンドで何もできずにボロ負けした場合、観客からはK-1は弱いじゃないか!と思われるかもしれませんよね。
もちろん実際は結果は誰にもわかりませんし、仮に天心選手ほどの選手に負けても、だから弱いなんてファンは思いません。
ただ、K-1運営側はそのリスクを危惧しているのだと思います。
天心選手に勝ったところで、K-1の目指している文化を広げるという世界観の進展には直接的にはならないので、リスクを取るほどのリターンがないのです。
それならば、失礼ですがマイナー選手を滅多打ちにする強いチャンピオンの方が幅広い人には受け入れられやすいですよね。
文化を作るのであれば、より幅広い人に受け入れられることが重要です。
世界トップのレベルの試合を欲しがるのはその競技のファンでしかなく、幅広い人たちに見てもらおうと思ったら、わかりやすい派手なKOを求めるのは正しい選択だと思います。
これを武尊選手が逃げてる!などと揶揄されることがあるのですが、断じて武尊選手が逃げているわけではありません。
団体の方針、しかもそれがあながち間違っているわけではないというところに問題の根本があるのです。
むしろ、武尊選手は「最強」と「文化」を両取りしたいと考えて行動しているようにさえ見えます。
K-1運営の姿勢を示すこれまでの言動
K-1運営の方針について深堀りしてきましたが、実際に ‘ 那須川天心 VS 武尊 ‘ に対するK-1サイドの姿勢について振り返ってみます。
那須川天心親子を告訴


2018年2月、那須川天心のお父さん、ジムの会長、RIZINの運営を相手取り、K-1を運営しているM-1スポーツメディアが約1億4000万円の損害賠償請求を求めて訴訟を起こしました。
その内容は。。。
天心選手が K-1王者である武尊に対戦を呼びかけたから です。。。
そのためにSNSで武尊選手が逃げているという噂になり、スポンサー離れが起こった損害を賠償してくださいという訴訟です。
まず、興行の中で「 K-1の武尊選手とやりたい 」と発言したら訴訟を起こすというのは格闘技界でも前代未聞ですよね。
他団体の有名選手に対するアピールはむしろその団体の権威がある証なので、通常行われていることです。
訴訟を起こされた那須川天心のお父さんやジムの会長側も呆れ果てたとのことです。
ただ、K-1の運営サイドはそこまで ‘ 天心 VS 武尊 ‘を実現したくないという意思の表れであるとも言えます。
訴訟まで起こすのは、イメージとして「K-1の世界観と他団体の世界観がつながっていると思われることさえ避けたい」と言うことも読み取れます。
実際にこの影響で、天心選手も武尊選手も、お互い相手の名前を出すことはなくなりました。
そして今ではお互いが、完全にお互いのことを指しているのに敢えて名前は出さずに話に出すというヴォルデモートみたいな感じになってしまっていますw
K-1運営「試合をするならK-1で」「特例を作るつもりはない」
2019年、両選手がきっかけで、再び ‘天心 VS 武尊’ が盛り上がってきた頃、K-1の中村プロデューサーから実現させたくないという強い意思を感じる発表がなされました。
「武尊選手はK-1のチャンピオンなので、対戦したければK-1と契約してもらいたい」
「新生K-1ではこの姿勢を一貫しているので、それを変えることは考えていない」
これらの言葉が、運営の方針を表しています。
K-1と契約をするというのは、この会見では濁しましたが、3年契約及び1回試合をする毎に1年間の独占契約をするということであり、既に様々なスポンサー・戦場の選択肢を持っている天心選手には確実に受け入れられないことがわかります。
端的に言えば、‘ 天心 VS 武尊 ‘はK-1としては実現させたくないと読み取ることができますね。
天心 VS 武尊を実現するためには?

以上を元に考えると、’ 天心 VS 武尊 ‘を実現させる実現させる方法は2つあります。
天心選手をK-1所属のスターにする
一つは、K-1運営の言うように、天心選手がK-1に所属することです。
K-1選手となれば、仮に天心選手が勝ったとしてもK-1王者が入れ替わるだけで、K-1のスターの存在は維持出来るのです。
このためには那須川天心選手が前述の通り、3年契約を受け入れるしかなくなり、あまり現実的ではないです。
実際に天心選手は強い選手と戦うことにこだわりがあっても、武尊選手と戦う事だけにこだわりがあるわけではないので、3年を投げてまでK-1に所属することはないでしょう。
また、これまでの考察から、K-1が天心選手だけはワンマッチでK-1のリングに上がることを許すこともないことがわかります。
ワンマッチでは彼らの作り出す「文化」の一部にならないからです。
武尊選手は負けても「スター」であるとK-1運営に理解させる

もう一つはK-1運営の判断に働きかける方法で、負けることはスターの没落ではないと判断してもらうことです。
根本原因である、武尊選手が天心選手に負けたらK-1の文化を作る上で損失という価値観を変える必要があるのです。
そして、今の武尊選手と天心選手のスター性と存在感を持ってすれば、戦ってもお互いのイメージにプラスにしかならないのが事実です。
2020年に’ 天心 VS 武尊 ‘が実現するとしたらこの線しかないと思っています。
両選手のアピールに対して、ファンの間でもこのカードを見たい。というだけでなく、この二人は本当にファンに愛されているということが運営に伝わると、K-1運営の考えが変わるのかもしれないという願望です。
天心 VS 武尊は第三者のリングでならば実現可能という話も聞きますが、そのためにはK-1運営が武尊選手の出場許可出す必要があり、結局はこのようにK-1運営の判断を変える必要があるのです。
まとめ
- K-1運営は方針として’天心 VS 武尊’を実現しようとしていない
- K-1は最強ではなく文化を作ろうとしている
- ‘天心 VS 武尊’を実現するにはK-1の運営の判断を変えることが必要
- K-1運営の判断を超えるために、’武尊’が負けても価値が減らないことを示すくらいのファンの声が必要
コメント