K-1のルール、皆さんご存知ですか?
ファンの方でも実は細かいところを知らないのではないでしょうか
膝蹴りはどういう条件で、しても良いかわかりますか?
判定はどういう基準でつけられるかお友達に説明できますか?
本記事ではK-1のルールを読んでじっくり考察します。
ルール全てを網羅するため、3部に分けて考察していきます。
- Part1: 基本ルール編
- Part2: 試合・判定編
- Part3: 周辺対応編
この記事では基本ルール編として、K-1の中での有効技、反則技などの定義を見ていこうと思います。
第1場 試合場
試合場は、6メートル四方以上、3本以上のロープで囲われ、転倒等のアクシデントに対して選手の安全を確保出来る四角形のリングを使用するものとする。
K-1公式ルール
ちなみにボクシングでは5.47から7.31mと幅があり、
RIZINは非公表、
PRIDEは7mです
K-1のリングは標準的で、打ち合いを重視するために少しだけ小さめにしているのではないでしょうか。
第2条 試合用具
選手は、両手に主催者が用意した規定のグローブ、ファールカップ(男子のみ)、マウスピースを必ず着用しなければならない。なお、ファールカップおよびマウスピースは選手自身が用意する。ファールカップは金属製のカップを紐で結ぶものでなければならず、構造的に不完全なカップの着用は禁止とする。選手がこの義務を遂行しない場合、アクシデントによる不利益に対する優遇措置を享受することはできない。また、アクシデントによりファールカップが破損したり、再装着などで競技の運営に支障をきたした場合、厳しいペナルティを科す場合がある。
K-1公式ルール
ファールカップは金属製!なのに蹴られたらあんなにダメージを喰うんですね
第3条 階級
グローブは、各階級ごとに以下の通り定める。
K-1公式ルール
75.00kg以下 8 oz
75.00kg以上 10 oz
ボクシングでは63.5kgまでは8oz、それ以上は10ozです
標準的であり、やはりKOを出しやすいようにボクシングより少し小さめにしているように見えます
第4条: 試合方法
第1項
K-1公式ルール
(a)ワンマッチ
基本的に3分3ラウンドとする。延長戦は最大3分1ラウンド、または2ラウンドとする。但し、特別ルールとしてこれ以外の形式になる場合がある。
(b)トーナメント
3分3ラウンド、延長戦1ラウンドとする。
(c)マストシステム
マストシステムとは、ジャッジの採点において必ず優劣(勝敗)をつけることをいう。K-1の競技において引き分けを廃止することを目的とし、延長戦の最終ラウンドでこのシステムを採用するものとする。この場合の採点は、延長戦の最終ラウンドのみを採点し、たとえ微差でも優劣をつける採点を取る。但し、選手育成を目的とした3分3ラウンド制の試合は引分けの裁定もある。
第2項
選手の安全面を考慮し、1日のトータルラウンド数は15ラウンドを越えないものとする。
第3項
ラウンド間のインターバルは1分間とする。
ここは重要ですね
基本的に、3分3R、インターバルは1分
延長戦はトーナメントの場合は1ラウンド、ワンマッチならば 1 or 2ラウンド
延長戦ではどちらかに必ず優越をつけるマストシステムが採用される。
1日のトータルラウンド数は15ラウンド。
トーナメントで3戦して全て延長があり4ラウンドやっても12ラウンドでオーバーすることはないですね。
例外として、3分3R以外の特別ルールでやることがあったり、選手育成のためにマストシステムを無視して引き分けにする場合があるとのことです。
これは使われる日は来ない気もしますが、念の為でしょうね。
第5条
試合において次の技を有効とする。
K-1公式ルール
パンチ:ストレート、フック、アッパー、バックスピンブロー
キック:前蹴り、ローキック、ミドルキック、ハイキック、サイドキック、バックキック、内股への蹴り、飛び蹴り、ヒザ蹴り
但し、パンチに関して前腕部、上腕部、グローブ手首部分のみがヒットしたと判断される場合、またバックブローに関して肘、前腕部、上腕部、およびグローブの手首部分のみがヒットしたと判断される場合には反則となる。明らかに有効打撃ではないと判断された場合は反則となり、相応のペナルティが科せられる。
そのままですね。
パンチ時にグローブ以外でダメージを与えた場合は反則となります。
技の定義が曖昧と言えば曖昧なので、次条の反則技を注視するほうが良さそうです。
第6条: 反則技
第1項
K-1公式ルール
試合においては以下の技を反則とし、反則には「注意」、「警告」または「減点」が与えられる。レフェリーは、「注意」、「警告」に対しては口頭で指示、「減点1」「減点2」に対してはイエローカードを提示し、「失格」に対してはレッドカードを提示する。最初の「注意」のみ「注意」、2回で「警告」1となる。以後は即「警告」1が与えられる。「警告」2で「減点」1とし、1ラウンド中に「減点」が3になると「失格」となる。但し、反則に関してレフェリーが不可抗力であると判断した場合にはこの限りではない。また、反則行為が悪質なもの、あるいは相手選手に多大なダメージを与えたとレフェリーが判断した場合には、反則の宣告順位を超えていきなり減点が与えられる場合がある。
基本的には、
反則1回目: 注意1
反則2回目: 注意2 = 警告1
反則3回目: 警告2 = 減点1
反則4回目: 警告3 = 減点2
反則5回目: 警告4 = 減点3 = 失格
ということですね。
ただし、反則行為が悪質なもの、あるいは相手選手に多大なダメージを与えたとレフェリーが判断した場合、いきなり減点が与えられる場合がある
K-1では、ムエタイの選手(ゲーオ選手など)は組んで膝を打って、注意を受けることが多いですが、あれで多大なダメージを与えたら悪質でなくとも減点される場合があるということですね。
これは初めて知りました。
<反則の種類>
K-1公式ルール
1. 頭突きによる攻撃。
2. ヒジによる攻撃。
3. グローブ装着部分でない前腕部、上腕部による攻撃
4. 金的への攻撃。
5. レスリングや柔道などの投げ技、関節技を使うこと。
6. サミング。
7. 喉へのチョーク攻撃。
8. 相手に噛み付く行為。
9. 倒れた相手、起き上がろうとしている相手に攻撃すること。
10. レフェリーがブレイクを命じたにも関わらず相手を攻撃すること。
11. 相手の蹴り足を掴む行為。
12. 攻撃であれ防御であれ、ロープを掴むこと。
13. レフェリーに対する、侮辱的あるいは攻撃的言動。
14. パンチによる後頭部への攻撃(後頭部とは、頭の真後ろの部分を指し、側面、耳の周りは後頭部とみなさない)。
15. 故意に相手選手をリング外に落とそうとしたとき。
16. 自分からリング外に出たとき。
17. 明らかに背後を向いた選手への攻撃。また、背後を見せた選手も戦意喪失とし、注意、警告、減点の対象となる。
18. パンチにより、前腕部、上腕部、グローブ手首部分のみが当たった場合。
19. バックブローにより、肘、前腕部、上腕部、グローブ手首部分のみが当たった場合。
20. 審判員に対する虚偽のアピール、言動
相手の蹴り足を掴む行為。
これはムエタイの選手がよくやる技術です
やはりパンチ・キックの戦いを重視するために禁止しているのですね。
攻撃であれ防御であれ、ロープを掴むこと。
これはリング競技全般ですが、とは言え掴んでしまうことはありますよね。
しかしこれで減点されるところは見たことがありません。
掴むことが反則であるならば掴めないような仕組みを作れると良いのですが、良い案がないのでしょう
明らかに背後を向いた選手への攻撃。また、背後を見せた選手も戦意喪失とし、注意、警告、減点の対象となる。
なるほどー。
後ろを向いた選手を攻撃することも反則なんですね。
第2項
レフェリーが悪質であると判断した場合、即座に減点が与えられる場合もある。
第3項
再三、頭を低くして相手の懐に飛び込む行為は、バッティングを誘発するものとして注意を与える。バッティングにより選手のどちらかがカットして出血した場合、レフェリーが偶発的なものであると判断した場合には減点は発生しないが、再三頭が低くバッティングの可能性があるものと注意を受けた選手がカットさせた場合には減点1が与えられる可能性がある。但し、レフェリーが明らかに故意、もしくは悪意があると判断した場合には減点2が与えられる。
バッティングは偶発的なら減点なし
バッティングの可能性を注意されている選手がカットさせた場合は減点1の可能性がある
故意・悪意がある場合は減点2
第4項
攻撃を伴わないホールディングや技の掛け逃げが度重なり、消極的であると判断された場合、レフェリーは注意、警告、減点をとる。これに関しては、注意2で警告1、次の注意で減点1となる。なお、技の掛け逃げとは、攻撃の後すぐに相手に組み付き、または攻撃の直後に自ら倒れ込んで攻防を意図的に中断してしまう行為をいう。
攻撃を伴わないホールディングや技の掛け逃げが度重なり、消極的であると判断された場合
逆に言えばホールディング=クリンチや技の掛け逃げは度重ならなければルール上問題ないということです
打撃系格闘技の流れ上ありえることなので、こういう書き方で正しいと思います。
技の掛け逃げとは、攻撃の後すぐに相手に組み付き、または攻撃の直後に自ら倒れ込んで攻防を意図的に中断してしまう行為
クリンチや胴回し回転蹴り、ドロップキックなどですね
上記に書かれているように、やった瞬間反則ではなく、度重なったら反則という定義です。
第5項
選手がカウンター狙いなどで攻撃の手数が少なく消極的であると判断された場合も、注意や警告、減点の対象となり得る。
第6項
両手で相手を掴んで攻撃することは全て反則とする。但し、片手で掴んでの瞬間的な攻撃は有効であるが、有効な打撃を加える為の手段とレフェリーが判断しない場合、またこのような状態が度重なる場合、結果として試合の膠着を誘発しているだけであると判断された場合には、注意警告の対象となる。
両手で掴んで膝はK-1で最も頻発する反則ですね。
これもムエタイでは普通に行われるのでつい出てしまうのでしょう。
第7項
掴みや組み付きなど、膠着状態を誘発する行為は一切これを禁止する。また相手の攻撃を逃れるために自分から掴み、組み付きに行く行為には、例えそれが片手であったとしても、注意や警告が与えられる。
組み付きは禁止です
こちらもムエタイでは組み付いてからの首相撲での攻防を行うので、大きな違いです。
しかし、第6条第4項では掛け逃げ=攻撃をしてすぐ組み付くは度重なったときに反則と定義しており、ここれは組み付き事態が定義しています。
ボクシングでも組付は反則ですが、実体としてクリンチワークも技術として存在しており、似たような状態と推測できます。
基本ルール編のまとめ
- K-1のリングは6m四方
- グローブは75.00kg以下 8 oz 75.00kg以上 10 oz
- 試合は3分3R、延長戦は1Rか2Rを試合ごとに決める。トーナメントのときは1R
- 延長戦は必ず優劣を決めるマストシステム
- 反則は3回で減点1、4回で減点2、5回めで失格
- 相手の蹴り足を掴むことは反則
- 相手の頭を両手で掴むことは反則
K-1のルールが理解できてきた気がします。
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